公務員は安定のイメージ
「公務員」と聞くと多くの方が「安定」というイメージを持たれていると思います。
公務員は人気の職業であり、志望される方の多くも安定していることを理由に考えていると思います。実際に私も公務員になろうと思ったきっかけの一つが安定しているからでした。
そんな世間一般のイメージと実態に差はあるのでしょうか?
地方公務員として働いた経験から良い点、悪い点をまとめてみました。
データで見る公務員
令和5年の人事院データで見てみると国家公務員の平均月収は412,747円(42.3歳)となっており、ボーナスは4.5月分となっています。年収に換算すると6,958,826円であることが分かります。
地方公務員の例として東京都の職員を見てみましょう。令和5年の東京都人事委員会のデータを見てみると平均月給は406,313円(41.6歳)、ボーナスは4.65月となっています。こちらは年収で6,704,165円でした。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間企業の平均年収は458万円となっていますので、公務員の給与は民間に比べて高いことが分かります。
さらに会社が倒産することはないため、懲戒免職にならない限りクビになることはありません。
これらのデータを見る限り公務員は安定している職業であることは間違いありません。
公務員として働いてみると
一般的なデータをみると公務員は安定しているといえますが実際はどうなのでしょう?
地方公務員として働いた経験から、良い点・悪い点を挙げてみました。
良い点
- 社会的信用がある
- 倒産、リストラの心配がない
- 業績や景気に左右されない
- 福利厚生がしっかりしている
- 転勤がない(地方公務員に限る)
中でも個人的に公務員で良かった感じた点は、社会的信用の高さと景気に左右されない点でした。
一般的に公務員というと好印象がありますし、審査なども通りやすいです。また、コロナなどで景気が不安定になっても大きく給料が下がることがなく、安定を実感できました。
福利厚生は大手民間企業に劣るところもありますが基本的にしっかりしています。私のいた自治体では旅行などに使えるポイントが毎年3万円分貰えていたのでかなり助かりました。
悪い点
- 若いうちは給料が安い
- 専門性やスキルが身につきにくい
- 副業ができない
- 部署によって仕事内容、労働環境が大きく異なる
- 業務内容、対人関係のストレスが多い
これらの中で私が公務員を辞めようと思ったきっかけとなったのが、専門性やスキルが身につきにくいことと業務内容、対人関係のストレスが多いという2点でした。
公務員の仕事は、営利活動ではないため企業活動と大きく異なります。公務員としてのスキルは身につくのですが、それは公務員でないと活用できないものがほとんどです。そのため民間への転職は未経験での転職が基本になるため、難しく感じる人も多くいます。また、業務量の多さ、住民対応などによるストレスで休職・退職してしまう方も少なくありません。このように公務員でしか使えないスキルを身に付けても、公務員として働けなくなってしまうケースもあるため、安定とは言えないという状況もあります。
まとめ
公務員の平均年収は民間企業の平均年収よりも高く、倒産の心配も無いため、一般的には安定とされています。実際にコロナ禍を経験して、リストラや減給の心配が一切なかったことから、公務員は安定していると実感しました。
ですが、民間でも通用するスキルが身につきにくいこと、仕事のストレスの多さで休職・退職してしまうことを考慮すると、安定して働き続けるという点では不安があります。
世間一般の安定なイメージ通りではありますが、個人の捉え方で変わってくるものなので、一概に安定と言い切ることができない、というのが働いてみて感じたことになります。
私の場合、無職という不安定の状態から安定を求めて公務員になりましたが、 どんな場所でも働くことのできるスキルを身につけることが本当の意味での安定だと感じたので資格の取得と転職を決めました。 無職から公務員への就職、公務員からの転職についても他記事で紹介しています。大手人気特化型ハイクラスエージェント