はじめに 〜“数字に強い人材”が求められる時代へ
転職市場で必ずと言っていいほど評価されるスキルの一つが 「財務・会計の基礎知識」 です。企業活動はすべて数字(仕訳・決算書)で管理されるため、部署を問わず簿記知識は重宝されます。その入口資格として定番なのが 日商簿記検定 3級〜2級。この記事では (1) 簿記が転職で評価される理由、(2) 級別の取得メリット、(3) 試験概要(4) おすすめ教材/予備校をまとめます。
1.そもそも簿記とは?
簿記は「企業活動を帳簿に記録し、財務諸表を作るためのルール」です。財務諸表は会社の資産や負債、売上や費用などの財務状況を記録したもので、これをみると企業がどんな活動を行ってきたか理解することができます。仕訳→転記→試算表→精算表→決算書という流れを学ぶことで、会社の主な財務諸表である貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L) を読み書きできるようになります。
ワンポイント:簿記は“企業の共通言語”。営業・人事・企画など非経理部門でも、数字の裏側を理解しているだけで意思決定が速くなります。
2.転職で簿記が評価される3つの理由
- 部署横断で使える:経理・財務だけでなく、原価計算が必要な製造業や、販管費を管理する管理職でも必須知識。
- 数字に強い=再現性のあるスキル:AI・DX時代でも財務データの読み解きは人間が最終判断を下す場面が多い。
- 汎用性が高い:会計の知識は業界に関係なく、すべての企業において必要なため、どの業界でも活用することができる。
公務員からの転職にこそおすすめ
私自身、公務員時代に簿記を学んだことで“企業はどうやって利益を生み、資金を調達するのか”を数字でイメージできるようになりました。公共会計だけではわからない民間企業のリアルな活動が見えるようになり、公務員ではイメージしにくい民間企業の仕組みを理解することができました。公務員から民間企業へキャリアチェンジを検討している方には、簿記は最優先で取り組む価値がある資格です。
3.級別で見る評価と活かし方
級 | 到達イメージ | 転職での評価 | 推奨勉強時間 |
---|---|---|---|
3級 | 個人事業レベルの仕訳と簡易B/S・P/Lが読める | “数字に抵抗がない” と評価/事務・総務・営業サポート職で汎用性あり | 50〜100時間 |
2級 | 中小〜上場企業の商業簿記・工業簿記まで対応 | 経理・財務・管理会計ポジション応募可/昇格基準に採用する企業多数 | 150〜250時間 |
1級 | 連結会計・原価計算・財務諸表論・連結精算表 | 経理マネージャー候補(上場・IPO準備)/財務分析・連結決算でコンサル・監査法人から高評価/公認会計士・税理士試験の受験資格で学習意欲を示せる | 600〜800時間 |
結論:転職目的なら “まず2級” が到達目標。1級が求められる場合でも“学習中”として履歴書へ書くのも効果的です。
筆者の短期合格体験
会計初学者の状態から 3級を1か月、2級を2か月(合計3か月) で合格できました。平日は1日2〜3時間、すべてCBT試験で受験したためスケジュール管理も容易でした。CBT試験については次の項目で紹介します。
4.試験概要(3級・2級)
日商簿記3級 | 日商簿記2級 | |
受験資格 | なし | なし |
実施時期 | CBT方式:通年/ペーパー:年2回 | CBT方式:導入済(試行)/ペーパー:年3回 |
試験時間 | 60分(CBT)/120分(ペーパー) | 90分(CBT)/90分×2(ペーパー) |
出題範囲 | 商業簿記のみ | 商業簿記+工業簿記 |
合格基準 | 70%以上 | 70%以上 |
合格率 | CBT平均70%前後 | CBT平均40〜50%/ペーパー15〜30% |
CBT試験とは?おすすめする理由4つ
CBT試験とは、テストセンターでPCを使った受験形式です。従来のペーパー試験とは異なり、PCに入力して回答するため、経験がない方は少し抵抗があるかもしれませんが、簿記2級まではCBT試験をおすすめします。
- いつでも受験可能:全国のテストセンターがほぼ毎日稼働しており、仕事の繁忙期を避けて土日や早朝・夜間枠で予約できます。
- 結果が当日わかる:試験終了後に即スコアが表示されるため、次の学習計画をすぐ立てられます。私も3級・2級ともに試験後すぐに合格を確認できたので、モチベーションを保ったまま次の級へ移行できました。
- ペーパー試験より合格率が高い:マークシート記入ミスがなく、問題用紙をめくるタイムロスもないため、得点が伸びやすい傾向があります(実際に3級CBTの平均合格率は70%前後、ペーパーは50〜60%)。
- スケジュール管理が容易:予約変更は24時間前までネットで完結。急な残業や体調不良でも日程をずらせるため、学習ペースを崩しにくいです。
体験談:私は平日夜19時開始の枠で受験し、そのまま帰宅前に合格を確認。結果が即日わかるので“次は2級を◯月◯日に受けよう”と逆算しやすく、学習モチベーションが維持できました。
ポイント:CBT受験は日程を自由に選べるうえ、ペーパーに比べて合格率が高い傾向があります。本記事では簿記1級については詳しく書いていませんが、簿記1級はペーパー試験のみの実施で、CBT受験は簿記3・2級のみ受験可能となっています。
5.おすすめ教材・講座
独学派におすすめ
種類 | 教材名 | 特徴 |
テキスト・問題集 | 『スッキリわかる 簿記3級・2級シリーズ』 | 図解が豊富で初学者でも読みやすい |
過去問 | 『合格するための過去問題集(日商簿記3級・2級)』 | 本試験レベルの問題と解説で実戦力が身につく |




予備校派におすすめ
予備校 | コース | 強み |
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筆者がクレアールを推したい理由
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逆算カリキュラム:合格から逆算したスケジュール表と添削課題で、独学より迷わず進めます。
無制限質問サポート:疑問点を専任講師にオンラインで何度でも質問でき、理解が深まりました。
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まとめ
- 簿記3〜2級は転職の汎用スキル。部署を問わず“数字が読める”人材は重宝されます。
- まず3級→2級を最短で取得し、履歴書でアピール。CBT試験ならスケジュール自由&結果即日で学習計画が立てやすいです。
- 独学教材+過去問、あるいは クレアール などの予備校を活用して効率的に合格ラインを突破しましょう。
- 公務員など非民間からの転職でも、簿記を通じて企業活動をイメージできるようになり、キャリアの選択肢が広がります。
今日が一番若い日です。数字に強いキャリアを手に入れる第一歩として、まずは簿記3級から学習を始めてみませんか?