USCPAと公認会計士の違いは?監査法人アドバイザリーで働いた体験談から徹底解説

はじめに

「USCPAと公認会計士、どちらを取るべき?」――資格取得を考える人なら、一度はぶつかる問いではないでしょうか。私はUSCPAを取得し、Big4監査法人のアドバイザリー部門で働いた経験があります。監査部門に所属したわけではありませんが、PCAOB(米国公開会社会計監督委員会)の案件サポートに関わった際には、USCPAが重宝され、USCPAマネージャーがリードする場面もありました。本記事では、受験検討者が気になる「日常業務の実態」「英語を活かす現場のリアル」「キャリアと待遇の違い」を、体験談も交えて詳しく解説します。


本記事の結論

  • 日常業務の実態:USCPAと公認会計士で仕事内容に大きな違いはなく、特にアドバイザリー部門では資格よりもスキル・経験が重視される。
  • 英語を活かす現場:USCPAを持っているからといって自動的に英語案件が割り当てられるわけではない。ただし、意思表示や実力次第で海外案件や海外往査に関われるチャンスが広がり、円滑な英語でのコミュニケーションが特に評価される。
  • キャリアと待遇の違い:給与や福利厚生は同水準。監査法人内での昇進は公認会計士が有利だが、USCPAは外資系や海外志向のキャリアで強みを発揮する。

USCPAとは?

USCPAはU.S. Certified Public Accountantの略で、米国の公認会計士資格を指します。試験は英語で実施され、科目合格制のため働きながら取得できる点が特徴です。日本国内では監査法人や外資系企業で高く評価され、会計×英語の専門性をアピールできる資格として知られています。

👉 USCPA資格自体の取得方法や難易度は関連記事「USCPA(米国公認会計士)とは?会計初学者でも取得できる?取得方法と難易度について」に詳しくまとめています。


監査法人とは?

監査法人は公認会計士法に基づいて設立される組織で、公認会計士が共同で設立する法人です。上場企業に対して監査業務を提供することを主目的としており、所属する人の多くは公認会計士、公認会計士試験合格者、あるいはUSCPAです。就職・転職においては、公認会計士やUSCPA合格者の第一候補が監査法人になります。

中でも有名なのがBig4監査法人で、

  • EY新日本有限責任監査法人(EY)
  • 有限責任監査法人トーマツ(デロイト)
  • 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
  • PwC Japan有限責任監査法人(PwC)

の4法人です。これらは国際的な会計事務所と提携し、グローバルに一体となって活動しています。日本の上場企業監査の大半をBig4が担っており、監査法人に入所する=Big4を目指す人が多いのが実情です。

👉 監査法人の概要は関連記事「監査法人とは?仕事内容・入りかたをわかりやすく解説」もご覧ください。


日常業務の実態

監査法人に入ると、日々の業務は資格の種類によって大きく変わるわけではありません。特にアドバイザリー部門では、資格よりもプロジェクト経験やスキルのほうが重視されます。会計士資格を持たない人も一定数在籍しており、専門スキルで貢献できる人材が高く評価されています。M&AのデューデリジェンスやPMI支援、内部統制評価、IFRS対応など、幅広い案件に携わる機会があります。ここで求められるのは会計知識に加え、資料作成やコミュニケーション、時にはITリテラシーです。つまり、資格の有無よりも「現場でどう貢献できるか」が評価されるのです。

📌 ポイント

  • アドバイザリー部門では資格より経験・スキルが重視される
  • 案件はM&A、内部統制、IFRS対応など多岐にわたる
  • 無資格者でも専門スキルを活かして活躍できる

私自身、監査部門ではなくアドバイザリー部門に所属していましたが、一度PCAOB案件に関わった際には、USCPA資格を持つマネージャーがリード役を担っていました。通常業務に大きな差はありませんが、国際案件ではUSCPAが強みになる瞬間があります。


英語を活かす現場のリアル

英語に関しても、USCPAを持っているからといって自動的に英語案件に入れるわけではありません。日常業務の大部分は日本語で行われます。ただし、「英語を使いたい」という意思表示をすることで海外案件に関われるチャンスは広がります。英語が必要になる場面としては、海外とのメール、IFRS/US GAAPに関する英文資料のレビュー、海外チームとのミーティングなどがあります。さらに、監査法人では監査部門に限らずアドバイザリーなどでも海外子会社への海外出張(海外往査)が発生するケースがあり、また、案件によっては英語の専門文献や海外基準の資料を読む機会も多く発生するケースがあり、英語を実務で活かす機会はあります。

📌 英語使用シーンの例

  • 海外子会社からのエビデンス依頼メール
  • IFRS/US GAAPに関する英文資料レビュー
  • 海外メンバーとのショートミーティング
  • 海外子会社への出張・往査

私は英語力に自信がなかったため、積極的にアピールはしていませんでした。ただ一方で、USCPAを持ち英語が得意だった同期は海外往査に同行し、実際に英語を活用できる機会を得ていました。こうした違いを見て感じたのは、英語力は待っているだけでは活かせず、希望を示すことで掴みにいくものだということです。また、実務では円滑な英語でのコミュニケーションが重要視され、誤解なく伝える力が評価されます。


キャリアと待遇の違い

給与や福利厚生は、USCPAと公認会計士で大きな差はありません。同じ職位なら年収レンジもほぼ同水準です。ただしキャリアの方向性においては違いが見られます。監査法人でパートナーを目指すなら、公認会計士のほうが昇進の面で有利です。監査証明の独占業務や国内での信頼感が背景にあるからです。

転職市場全体で見ると、公認会計士もUSCPAも高く評価されており、どちらが明確に有利ということはありません。公認会計士は監査法人での経験を活かし、事業会社やコンサルティング会社などへ転職する人が多く、安定した評価を受けています。一方で、USCPAは国内で公認会計士より優位に立つわけではありませんが、外資系企業やグローバル企業、海外駐在といった国際的なキャリアを志向する場合に評価されやすい傾向があります。外資系のFP&Aや内部監査、グローバル経理などで知識と英語力を活かせる場面が多いのも特徴です。

📊 比較の目安

  • 給与水準:USCPA=公認会計士(同職位なら差なし)
  • パートナー昇進:公認会計士が有利
  • 転職市場での評価:いずれも高評価だが、USCPAは外資系・海外志向に強み

キャリアの出口を見据えると、公認会計士は監査法人での昇進や独立に加え、一般事業会社やコンサルティング会社などへも転職しやすい資格です。USCPAは外資や海外を目指す人にとって選択肢を広げやすい資格と言えます。


まとめ

USCPAと公認会計士は、どちらも会計分野で高く評価される資格です。本文で触れたように、日常業務、英語の活用機会、キャリアと待遇といった観点で見ていくと次のように整理できます。

👔 日常業務の実態

  • 仕事内容は大きく変わらず、資格よりもスキルや経験が重視される
  • アドバイザリー部門では無資格者も活躍しており、ITやデータ分析など専門スキルが評価される
  • 国際案件においてはUSCPAがプラスに働く場面がある

🌍 英語を活かす現場

  • USCPAを持っているからといって自動的に英語案件に入れるわけではない
  • 英語を使うシーンはメール、文献レビュー、海外往査など多岐にわたる
  • 英語力は待つのではなく自ら希望を示して掴むことが大切で、正確な読み書きが特に評価される

📊 キャリアと待遇の違い

  • 給与や福利厚生は同水準、パートナー昇進は公認会計士がやや有利
  • 公認会計士は監査法人での昇進や独立に加え、事業会社やコンサル転職でも評価される
  • USCPAは国内で特別有利ではないが、外資系や海外志向のキャリアで強みを発揮する

💡 結論 資格はゴールではなくスタートラインです。自分が国内志向か、国際志向か、どんなキャリアを歩みたいのかを明確にし、その将来像に合った資格を選ぶことが最も重要です。