USCPA -米国公認会計士- はどんな資格? 会計初学者でも取得できる?

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USCPA -米国公認会計士-とは

USCPAはU.S. Certified Public Accountantの略称で、日本では米国公認会計士を指します。

USCPAと聞いてもピンとくる人は少ないと思いますが、米国公認会計士と言われるとなんとなくアメリカの公認会計士ということがわかるかと思います。
そもそも公認会計士自体聞いたことあるけど、どんな仕事なのか詳しく説明できる人は少ない印象です。

そこで、USCPA、そもそも公認会計士がどういった資格なのか説明していきます。

公認会計士とは

日本における公認会計士はどんな資格なのでしょうか?

一般的に公認会計士は難関資格とされており、弁護士・医師(不動産鑑定士)に並ぶ3大国家資格として知られています。
合格に必要な勉強時間は、大手予備校TACによるとおおよそ3,500時間とされており、一日5時間勉強した場合、2年かかることになります。また、令和5年の合格率は7.6%であり、勉強を継続できても合格率は低く、公認会計士は非常に難関な資格であることが分かります。

合格後は会計のプロフェッショナルとして、公認会計士の独占業務である「会計監査」を行うこととなります。監査法人に所属し、大企業の会計監査を行っていくことが主な公認会計士のキャリアになります。
難関資格でありますが合格できれば、平均年収1,000万以上の高給・社会的地位の高さ・市場価値の高さなど安定と高待遇があり、人気の資格として不動の地位を得ています。

USCPAとは

USCPAはその名の通り、アメリカにおける公認会計士です。
公認会計士は国家資格のため、原則は取得した国で有効となります。つまり、日本の公認会計士が有効なのは日本国内、アメリカの公認会計士はアメリカ国内で有効といった具合です。
受験にはアメリカにいかなければ行けないのかと思われるかもしれませんが、東京と大阪の2つのテストセンターで受験することができます。

日本国内ではUSCPAは使えないのでは?
と疑問に持たれるかと思いますが、日本国内でもUSCPAは難関資格として評価されています。
その理由として、公認会計士の独占業務である監査業務においては、日本国内のものである限り、最終成果物である調書にサインを行うのが日本の公認会計士(基本は偉い人の署名)である必要がありますが、従事者には資格の有無は問われないため、監査法人でもUSCPAの採用は行われていますまた、会計と英語の知識があると評価されるため転職において市場価値のアップにつながります。

USCPAの難易度はTACのHPを参考にすると、勉強時間は約1,200~1,500時間とされており、合格率は科目にもよりますが概ね50~60%となっています。この数値だけを見ると難関資格ではありますが、日本の公認会計士よりも合格しやすい資格と言えます。

合格率を見るとUSCPAは取りやすいと思われがちですが、問題は英語のため、英語がネイティブである人も含めた合格率であると考えると、日本人の合格率はこれよりも低いと想定されます。また、公認会計士は受験資格がありませんが、USCPAは大卒で会計・ビジネスの一定単位が必要というような受験資格がありますので受験者の分母も異なっています。

ですが、必要となる勉強時間は短く、働きながらでも十分に取得のできる資格になっています。
簿記2級、TOEIC600点の私が公務員をしながら2年で合格することができました。

試験概要

試験科目

◎必須科目
 ・FAR(財務会計)
 ・AUD(監査及び証明業務)
 ・REG(税法及び商法)
◯選択科目
 ・BAR(ビジネス分析及び報告)
 ・ISC(情報システム及び統制)
 ・TCP(税法遵守及び税務計画)

※2024年からの新試験制度の内容となります。

USCPAは必須科目と選択科目に分かれており、必須科目の3つと選択科目の中から1つの合計4科目に合格すれば、最終合格となります。
各科目を同時に受ける必要はなく、有効期限である1年半以内に全ての科目を取り終えれば合格となります。

出題形式

テストセンターのパソコンで解答する Computer Based Testing(CBT)方式を取っています。
主な出題形式は2つあり、全て英語での出題になります。

Multiple Choice(MC) 4択問題 約50~70問
4つの選択肢から1つの正解を選ぶ

Task-Based Simulation(TBS) 総合問題 約7問
与えられた事例について数値入力、多肢選択、表の穴埋めなどさまざまな形式で解答する

出題数は科目によって異なりますが、試験時間は4時間で指定の問題を解くことになります。
4科目いずれも99点満点で、75点以上で合格です。

問題は英語ですが、4択問題が中心になるのでリーディング力のみで対応できます。日本人がハードルが高いと感じるスピーキングとライティングはないので、英語力に自身がなくても対策可能な試験になっています。

試験日程・会場

試験日程
USCPAには指定された試験日はありません。
テストセンターに空きがあればいつでも受験することができます。
そのため、自分の好きなスケジュールで1科目ずつ受験ができるので、学習の計画が立てやすいです。

・試験会場
USCPAの日本会場は東京と大阪の2箇所のみとなっています。

御茶ノ水ソラシティ
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア5階

中津センタービル
〒531-0071 大阪府大阪市北区中津1-11-1 中津センタービル7階

まとめ

USCPAはアメリカの公認会計士であり、難関資格ですが働きながらでも合格可能なことなど、日本の公認会計士よりは取得がしやすいというメリットがあります。
また、アメリカの資格ですが国内でも監査法人への転職ができることや、民間企業においても会計と英語力が評価されるため、大手企業への転職も狙えます。

英語であることと、受験要件に会計・ビジネスの単位が必要であることなど、受験へのハードルが少し高いですが、キャリアアップ・キャリアチェンジに大きなプラスになる資格であり、一生涯使える資格であることからも、挑戦を考えてみる価値のある資格です。

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